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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成29年8月31日日英共同記者会見

 
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【安倍総理冒頭発言】
 メイ首相の初訪日を改めて歓迎いたします。昨日の京都での夕食会に引き続き、本日もメイ首相と今後の日英関係についてじっくりと話し合うことができました。
 今、私たちは、変化と不確実性の時代に生きています。法の支配に基づく国際秩序は、様々な形で深刻な挑戦を受けています。こうした中で、自由、民主主義、法の支配、そして人権といった基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーである日英両国の協力が持つ重要性は一層高まっています。
 北朝鮮は、我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙に出ました。これまでにない深刻かつ重大な脅威です。北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。本日、北朝鮮に対する圧力を一層強化していくこと、また、そのために中国に更なる役割を求めていくことでメイ首相と一致できたことは大変有意義であります。本日、北朝鮮に関する共同声明を発出し、こうした英国・日本、日英の断固たる決意を示したことも重要な成果であります。
 本日の会談を通じてメイ首相と安全保障、経済、世界の繁栄と成長の分野の3つの柱を中心に、日英関係を新たな段階に進めていくことで一致し、日英共同ビジョン声明、安全保障協力に関する日英共同宣言、繁栄協力に関する日英共同宣言を発出しました。
 第一に、安全保障について。海洋の安定化勢力同士としての自由で開かれたインド太平洋の確保のための協力を含め、安保協力を更なる高みに引き上げることで一致しました。これは、国際社会の平和と安定にとり大変意義深いことであります。
 メイ首相がアジア太平洋への関与を強化していることを歓迎します。今や英国はアジア太平洋における安全保障上の重要なプレーヤーです。今後、共同訓練、防衛装備・技術協力、能力構築支援での具体的協力を一層推進してまいります。
 テロ対策やサイバー分野においても、緊密な連携をメイ首相と確認しました。2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの成功に向け、ロンドン五輪や前回のラグビー・ワールドカップの開催を通じて豊かな経験を持つ英国とこれらの分野での知見の共有を進めることで一致しました。
 東シナ海、南シナ海情勢についても議論し、力による一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致し、法の支配に基づく国際秩序の維持のために緊密に連携していくことを確認しました。
 第二に、経済分野でのパートナーシップについてです。EU離脱決定後も日本企業の英国への新規の投資が行われていることは、EU離脱後の英国経済を引き続き深く信頼していることの現れです。英国のEU離脱が円滑かつ成功裏に実現することは、世界経済にとっても重要であります。この観点から、メイ首相に対し、日系企業を含む企業活動への影響を最小化するよう、透明性・予見可能性の確保への引き続きの配慮をお願いしました。
 英国のEU離脱後の日英経済関係の強化に向けても、日英間の対話を一層強化していくことで一致しました。
 最後に、世界の繁栄と成長のための協力です。少子高齢化、保健、女性の活躍の推進等の日英共通の課題は、他の国々も早晩直面する課題です。こうした課題への対応に関し、知見の共有のための国際的な取組を、日英が連携して主導していくことでメイ首相と一致したことは、有意義なことです。
 本日、日英両国はこれまでの歴史的なつながりを土台にして、未来に向けて、地球規模の協力関係を新たな段階へと引き上げるため、大きな一歩を踏み出すことができました。ここアジアで、私たちは英国をこれまで以上に身近で信頼のおける存在に感じるようになるでしょう。その逆もしかりです。日本は英国が直面する欧州での課題、グローバルな課題に積極的に関与し、英国と連携してその解決に貢献してまいります。
 日英新時代の幕開けをメイ首相と共に迎えることができたことは喜ばしいことであります。今後とも、メイ首相と手を携えて、日英関係を力強く前進させていきたいと思います。

【メイ首相冒頭発言】
 私を、京都と東京でおもてなしいただき、また、歓迎してくださったことにつき安倍総理に感謝。
 北朝鮮の挑発行為が、国際社会にとって未曾有(みぞう)の安全保障上の脅威となる中で、2国間の緊密な連携が重要。英国の日本国民への連帯感を表明する。英国と日本は自然なパートナーである。日英には、民主主義及び自由貿易を標榜(ひょうぼう)する島国として、共通項が多くある。ルールに基づく国際システム、自由で開かれた国際貿易、自由、民主主義、人権及び法の支配という基本的価値を共有している。本日、日英パートナーシップを様々な分野で引き上げていくことに合意した。
 共通の課題に直面する国として、防衛・安全保障の分野で日英は自然なパートナーであり、欧州と日本で最も緊密な安全保障パートナーである。「安全保障協力に関する日英共同宣言」を本日発出した。国際秩序及び世界の平和安全保障の共通の課題に立ち向かうため、防衛、外交、サイバーセキュリティ、テロ対策等の分野で協力を強化することで合意した。両国の安保・防衛分野での協力は既に進んでおり、昨年タイフーン戦闘機が共同訓練のため訪日し、米国以外で初めて、日本国内で共同訓練を行った。協力を更に進めるため、来年の12月には、HMSアーガイルをこの地域に派遣するとともに、来年、英国陸軍(UK Troops)が陸上自衛隊(Japanese counterparts)と日本での初めての共同訓練を行う。更に、テロ及びサイバーセキュリティの分野で、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック等の安全な開催のため、新しい協力プログラムに合意した。
 東シナ海・南シナ海で緊張を高める行為に立ち向かうことを合意した。この地域の安定は、グローバルな課題である。全ての当事国が平和裏に国際法にのっとって紛争を解決することを願う。
 今週の北朝鮮のミサイル発射は深刻な挑発行為であり、日本の安全保障に対する、受け入れられない脅威である。自分は重要なタイミングに訪日した。明白に国連安保理決議に違反する北朝鮮の行動を、最も強い言葉で非難する。安倍総理と私は、国際社会と協力し、北朝鮮への圧力を高めるため、制裁の実施を早めること、新たに実行力のある決議案の国連安保理での採択を目指すことで一致した。
 経済においても、日英は自然なパートナーである。ルールに基づく国際システム、WTO改革を進めて、グローバル経済が全ての人のために機能するようにする必要がある。日本は世界第3位の経済大国である。日本は、米国に次ぎ、第2位の英国への投資国である。日本は英国に400億ポンドを投資している。ホンダ、日立、富士通、ソニーなど1,000社以上の企業が14万人の雇用を創出し、長期的なコミットメントをしていることを歓迎する。特に日産、トヨタ及びソフトバンクがEU離脱の国民投票後も英国に対してコミットをしており、英国経済の長期的強さへ信任投票をしている。多くの企業の方ともお会いし、英国経済への信頼及び互恵的パートナーシップへのコミットメントを繰り返していただいた。安倍総理も、ビジネスフォーラムで、EU離脱の後も、英国経済を信じていると言ってくれた。英国は今月示したように、Brexitの過渡期も、新たな2国間貿易協定を世界各国と締結する意思がある。野心的な日EU・EPAの早急な締結を目指すことで、安倍総理と一致した。
 また英国のEU離脱に際し、迅速に、最終的な日EU・EPAの合意に基づき、新たな経済的なパートナーシップを築いていくことに合意。共同で作業部会を立ち上げ、残る貿易の障壁を取り除き、Brexit後に最も緊密で自由な協定を結ぶ方向で一致した。
 また産業政策に関して、科学、イノベーション、エネルギー等の分野で協力し、繁栄し競争力のある経済をつくることで合意した。
 私の最初の訪日は、印象に残る旅になった。晋三に感謝したい。豊かな日本文化に触れることができ、そして近代的なダイナミズムも目にした。晋三との個人的な友好関係が、二国間関係にも反映されている。今回の訪日は、大きな前進である。既存の絆が豊かになっただけではなく、共有するビジョンを確認でき、協力を深化させることも確認できた。日英の安全保障と繁栄だけが引き上げられるのではなく、両国が自由で開かれた安全な世界秩序の旗を掲げて邁進(まいしん)することが確認できた。

(内閣広報官)
 ありがとうございました。それではこれからメディアの皆さんからの質問をお受けいたします。日本側から1問、英国側から1問、御質問をお受けします。

(記者)
 安倍総理に今後の日英関係について経済、安全保障の両面からお尋ねします。イギリスのEU離脱が再来年の3月に交渉期限を迎える中、イギリスに進出する日本企業への悪影響の懸念は依然消えません。また、イギリスのEU離脱後には、先月大筋合意している日EU・EPAをベースにイギリスとの間にFTA(自由貿易協定)を期待する声もあります。こうした点を踏まえ、今日の会談で安倍総理は、今後の日英の経済関係についてどのような期待を持たれたでしょうか。
 一方、安全保障面では、東アジアから地理的に遠いイギリスは日本に比べ北朝鮮の脅威への危機意識が低いのではないかとの懸念もありますが、北朝鮮問題をめぐる連携にはどのような手応えを持たれたでしょうか。お願いします。

(安倍総理)
 昨日、メイ首相を京都にお迎えいたしまして、お茶会を開催いたしました。長い歴史と伝統を感じさせるお茶室の中で、そこで使われている道具は正にトップレベルの匠(たくみ)の技によって生み出された芸術でありますが、そこで唯一の欧米製品がありました。それは水差しなんですが、英国製でありました。しかし、見事に伝統文化のお茶室の中に溶け込んでいたわけでありまして、改めて日本と英国の、長年にわたる文化、そして経済面での結びつきの深さを感じたところであります。
 現在、英国には約1,000の日本企業の拠点があり、16万人の雇用を生み出しています。また、英国にとり日本は、EU域外で第2位の投資国。日本と英国は、互いにとり重要な存在であります。
 英国のEU離脱については、我が国としては、離脱による企業への影響が最小化されるように、離脱交渉において透明性や予見可能性が確保されることが重要と考えています。今回の会談においては、こうした点について改めて私からメイ首相に申し入れを行ったところであります。これに対して、メイ首相から、日本企業の声に耳を傾け、円滑で秩序立った移行を実現していくとの説明がありました。大変私は心強く感じたところであります。メイ首相がおっしゃるように、英国は自由貿易の強力な支持者であります。日EU・EPAの年内の最終合意に向けメイ首相と協力してまいります。
 その上で、本日メイ首相と一致したとおり、EU離脱後の日英経済関係の強化に向け、政治レベルの強い関与の下で、日英で緊密に連携してまいります。
 北朝鮮は、ICBM級の弾道ミサイル発射を2回行っており、その脅威は我が国やアジアだけではなくて、今や欧州を含めたグローバルな脅威となっております。つまり、北朝鮮が発射するICBMの射程にほぼ欧州全体も入っているわけであります。グローバルな脅威となっていると言ってもいいでしょう。メイ首相とは、北朝鮮問題について相当な時間を割いて有意義な意見交換ができました。その観点から、今般メイ首相との間で北朝鮮に関する共同声明を発出し、国連安保理の常任理事国でもある英国との間で、北朝鮮への圧力を一層強化すべく、国連の場を含めて緊密に連携することで一致することができたことは大変有意義であったと思います。そして、大きな成果であったと考えています。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、アジアと欧州において互いに最も緊密な安全保障パートナーである日英両国の連携の重要性は一層増大しています。その観点から、本日、NSC(国家安全保障会議)特別会合にメイ首相にも御出席いただき、現状の分析、北朝鮮状況やアジア太平洋地域の安全保障環境等に対する分析を行い、そして認識をともにしたところであります。同時に、地域の平和と繁栄を守っていく上においても、あるいは世界の平和と安定のためにも、日英が共に協力していくことは極めて重要であり、意義深いということでも認識が一致したと思っております。今般、安全保障協力に関する日英共同宣言を発出することができたことは、極めて有意義であり、これに基づいて、メイ首相との間で一層緊密に連携しながら日英でこの安全保障分野においても連携、協力していきたいと思います。

(記者)
 北朝鮮封じ込めの戦略において、中国の関与が必要だとメイ首相は言われたが、今朝の報道によると、メイ首相は弱い立場にあり、中国は背を向けているということだが、戦略はうまくいっているのか。英国の議員から、メイ首相の任期は他の議員次第との指摘があるが、どうか。
 また、可能なら安倍総理に伺いたい。一部の日本企業が既に英国から撤退している。メイ首相から、他の企業は撤退する必要がないという確約を得ることができたか。

(メイ首相)
 北朝鮮の違法行為への対応だが、中国は国連安保理での審議に関与しており、安保理として非難を発出した。非難の言葉だけでは十分でなく、行動が重要である。中国は北朝鮮に影響力があり、特別な役割がある。中国は影響力を行使し、北朝鮮が違法行為を止め、日本を含むアジア地域の安全を担保できるよう働きかけるべきである。
 2点目につき、私は辞任するつもりはなく、長期的に務めるつもりである。今は重要なタイミングで、やることがたくさんある。EU離脱だけでなく、自分が首相に就任したときに指摘したように、国民が誰も取り残されないようにすること、国内に繁栄を広げること、メンタルヘルスへの対応がこれまで不十分であった等の不公正への対処といった長期的な課題に取り組まなければならない。国民は政府が役割を果たすことを望んでおり、私と政府は仕事を進めていく。

(安倍総理)
 先ほどの質問の中でもお答えさせていただいたように、英国には日本企業の1,000の拠点があるわけでありますが、当然英国の拠点であると同時に、EUのゲートウェイとしての英国の拠点でもある企業も多いわけでございます。そこで、Brexitに関して、透明性、そして予見可能性が非常に重要であるということをメイ首相にも申し上げ、それについては、大変メイ首相からも心強いお答えがあったところであります。言わば英国政府の、またメイ首相のBrexitに対する考え方、あるいは日本企業に対する配慮について、日本企業は大変注目しているわけでありますが、その中において、言わば英国の姿勢、メイ首相の姿勢を評価し、新たに英国に投資する企業もあるわけでございますし、多くの企業が現在も引き続き英国において仕事を続けていくという意思も表明しております。先ほどのビジネスフォーラムも大変な成功でありまして、多くの日本の有力企業のCEOが出席しておりましたし、今日の晩餐会にも、基本的にビジネス界の皆さんに出席していただくことになっておりますが、現在ここに仕事をしている有力な企業のCEOが出てきているわけでありまして、こうした日本企業の期待に、私はメイ首相あるいは英国が応えていただくということを、私は確信しております。

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